コンクリート構造物に起こる、劣化現象の一つであるアルカリ骨材反応(ASR)。阪神高速道路公団(当時)では、昭和57(1982)年に鉄筋コンクリート橋脚にアルカリ骨材反応による劣化現象を確認、以後アルカリ骨材反応の発生要因の分析、損傷構造物の健全度評価、補修方法の検討など、維持管理に関する広範な研究、対策を進めてきた。
日本ではまだ、アルカリ骨材反応という用語そのものが珍しかった時代に始まった取り組みは、関係者の地道な努力によって多くのデータを積み重ね、様々なことが解明され、対策が講じられてきた。しかし、当時マスコミに"コンクリートのがん"と報じられたこの劣化現象は、いまだ未解明な部分を秘めており、阪神高速でも地道な調査・研究が継続されている。
技術部技術開発課課長代理の佐々木一則と、主任の新名勉に話を聞いた。

コンクリートに含まれる石や砂を骨材と呼びます。
この骨材の中に、鉱物学的に不安定なある種の鉱物が含まれる場合に、セメント中のアルカリ金属とある条件下において化学反応を起こし、膨張性の高いゲルが生成されます。
アルカリ骨材反応の発生メカニズム
ASRは、アメリカでは1940年代に発見されました。しかし、日本ではそのような現象は見られず、おそらく今後も起こらないだろうと考えられていたようです。
ところが昭和54(1979)年に、阪神高速道路の大阪松原線のコンクリート橋脚にひび割れが見つかり、どうもこれは異常だ、今までのひび割れとは違うということで、関係者が調査・研究を進めた結果、ASRであることが確認されたのです。
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