あんぜん走行ナビ環状線リニューアル工事を追え!PART.2 ~いよいよ環状線が全面リニューアル!生まれ変わる環状線~

環状線リニューアル工事を追え!PART.2
~いよいよ環状線が全面リニューアル!生まれ変わる環状線~

去年、私が捜査した環状線リニューアル(参照)。
その第二弾の工事が、11月16日から始まってるけど、今回は何が変わるんだろう?
早速調査だ。

探偵さん
今回は私がその調査をお手伝いします。
今回注目してほしいのは、「湊町JCT」と「中之島JCT」です。

て、展開がはやい!

合流部の錯綜を減らせ!スムーズな合流を実現する工夫

去年のリニューアル工事でも、
・道路案内をわかりやすくする
・区画線を変更して、車の混雑を減らす
という対策で、安全性の向上を図りました。

確かにそうでしたね。
リニューアル工事後に実際に走ってみると、
変化を実感しました!

今回のリニューアル工事でもコンセプトは同じですが、
「湊町JCT」は阪神高速の中でも、特に車の錯綜が多い難所です。

「湊町JCT」だって!?

環状線リニューアル工事
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環状線リニューアル工事

「湊町JCT」周辺は、短い距離の間にいろいろな方面から車が合流してきますし、
さらに車がいろいろな方面に向かうために、車線変更する場所なんです。

車の錯綜(さくそう)が多い場所なんですね。

そして、交通量も多いんです。
特に環状線と堺線が合流する区間は、
「車線数が減少する」合流形状になっていました。

「車線数が減少する」?
いったい、どういうことなんですか!?

解説しましょう!
コチラをご覧ください!

リニューアル前
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リニューアル前

あ!合流後に1車線減っている!

そうなんです。
この図でいうと、②と③の車線が一つになることで、
合流前には合計5車線あった車線が、合流後に4車線に減少するんです。

ふむふむ。見えてきましたよ・・・
つまり、②と③の車線を走っている車は、
必ず合流するのでスピードが落ちてしまう・・・
これが、渋滞や事故の原因になると。
そういうことですね?

さすが探偵さん!
ここでは年間で42件(2019年度の実績)の接触事故が発生。渋滞の発生確率も高かったんです。
そこで今回のリニューアルで、この区間の整流化に取り組むことにしたんです。

そしてこちらが、リニューアル後の合流部です!

リニューアル前
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リニューアル前

おおー!
車線数を減らさずに2車線ずつ合流してる!

区画線を工夫することで、より安全な運転ができる設計にしています。
道路の幅を広げることは、すぐにできるものではありませんからね。

確かにラインが変わっただけですけど、
これで環状線と堺線の合流は減りますね。

でも、環状線側はもともと3車線ありましたよね?
2車線になっているけど、他にどこか変わってないんですか?
これはどういうことなんですか?

実は、2019年に「西船場JCT 信濃橋渡り線」と「大和川線」ができてから、
環状線側の交通量が減っているんです。
なので、環状線側の車線数を3車線から2車線に減少させて、
そのぶん、堺線との合流形状を工夫したんです。

合流形状の工夫
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合流形状の工夫

なるほど!
限られたスペースの中で、優先順位をつけて工夫したんですね。
地味ですけど、あっぱれです!

・・・ま、まぁわかりづらいのは確かですが・・・(泣)
工夫した分、リニューアル前後で車線運用が変わっているので、リニューアル後は「湊町JCT」走行時には、十分ご注意くださいね。

了解しました!
そういえば、話は変わりますが、
「湊町JCT」より先の区間って、いっつも渋滞している気がするんですが・・・

そうですね・・・
「中之島JCT」の合流や、福島入口の合流から渋滞が伸びてきているんです。
「西船場JCT」や、ひどいときは堺線や松原線まで伸びるときもあります。

原因が中之島JCTの合流と、福島入口の合流か・・・
じゃあ、今回のリニューアル工事の区間じゃないから、改善はされないんですかね・・・

確かに、渋滞をなくすこと自体は難しいですが、
今回のリニューアルで渋滞を悪化させない工夫に挑戦してます。

えッ? そんなことできるの?

これを見てください
「湊町JCT」から「中之島JCT」までの各車線を走行する車の比率です。

車線別通行台数
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車線別通行台数

第1車線と第4車線が少なく、第2車線と第3車線が多いですね。
あっそういえば、端の車線は空いているような気が・・・

実際そうなんです。
ちなみにこの区間で第3車線を走行するお客さまは
守口方面へ行くお客さまが大半を占めていると推察されています。

森口方面
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森口方面

あ、それ、まさに私です。
早めに第3車線に入っていれば、守口線方面に行くのに
焦らなくてもいい、っていう安心感があるんですよね。

確かにそれは、分かります。
でも仮に・・・この区間で、空いている第4車線を走行し、
中之島JCT~天神橋JCTの間で車線変更しても、
実は距離的には1km以上あって、結構な余裕があるんですよ。

森口方面
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森口方面

これはいいことを聞きました!
それなら、この区間ではスイスイ走ることができる
第4車線を走る方が絶対いいですよね!

ちょっとした、運転のコツですね!
探偵さんのような阪神高速をよく知る方は走りやすくなりますし、
そういう方がふえれば、車が分散することで、第2・第3車線の利用が減るので
渋滞も減って、多くの方にもメリットが現れるんです。

ソフト対策

でも、「車を分散させる」ってなかなか難しいですよね。
具体的にどうやって分散を図るんですか?

今回のリニューアル工事では、標識を工夫します。
これまでの湊町JCT~西船場JCT間の案内では
守口線利用の方への案内はなく
どうしても第2、第3車線の利用がメインに見えてしまう
ということが問題として分かってきました。

確かに、守口線への案内はないですから
環状線を案内している第2、第3車線を選択しますね。

そこで、守口線の案内を標識に追加しました。
さらに標識を、第1・第2車線と、第3・第4車線とで分けるように設置することで・・・

森口線の案内標識
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森口線の案内標識

うわっ!
第3・4車線で守口線に行けるような案内に見えます!

ありがとうございます。
これからも、守口方面へ行く際には、第4車線をどんどん活用してください。

行先が直感的に分かりやすい路面案内

そういえば探偵さん、昨年のリニューアルした、北浜出口の対策を覚えていますか?

えーと、確か路面をカラー舗装してわかりやすくしたり、
標識が変わったということを教えてもらいましたよ。

今回のリニューアルでも、同様の対策を行うんです。
それが、環状線と池田線との分岐部。

ああ~出入橋出口ですか!
ぼく、一度大阪空港に行こうとしたのに
出入橋出口で降りちゃったことありますよ!
でもちょっと待ってください。
カラー舗装が始まるの早くないですか?
出入橋出口は、もうちょっと先のはずじゃ?

鋭いですね~!
出入橋出口は、この分岐後しばらく走行すると見えてくるんですが、
出入橋出口までのカーブがきつくて、車線変更がしにくいんですよ。
なので、探偵さんのように池田方面に行きたいのに、間違って降りてしまったり、
逆に出口で降りたい人が降り損ねたりすることが起きていました。

そっか、僕の逆で、
降り損ねる、ということもあり得ますよね。

そこで、より分かりやすく、
「自分がどの車線を走っていればいいのか」
「この車線は出口に向かうんだな」ということを示したかったんです。

なるほど。
出入橋出口を降りたい人も、そうでない人にも
カラー舗装によって直感的に行先が分かる、ということなんですね!

まとめ

リニューアル工事の調査を終えた探偵は、調査報告書をまとめました。

調査報告書

  • 今回のリニューアルのポイントは、「交通整流化」
  • 「湊町JCT」では、区画線と案内標識の改良で、合流前後の車線数を一致させるこのにより、車の錯綜を減らす工夫を施した
  • 標識の改善により、第2・3車線に偏る車線分担率を分散化し整流化を図る工夫を施した
  • 出入橋出口に向かう車線にカラー舗装を施し、誤退出・出口誤分岐を防止

今回も捜査へのご協力ありがとうございました!
いやー、捜査して良かったなー!

ご理解いただいてよかったです!

リニューアルが完了したら、また環状線を利用してみます!

ありがとうございます!
そして今回も、環状線リニューアル工事後に
「達人と学ぶ阪高運転のコツ」の動画も新しくアップする予定です。
ご期待ください!