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建設技術

イメージ 鉄道函体アンダーピニング下に構築する開削トンネルの施工技術

トンネル | 開削

鉄道函体アンダーピニング下に構築する開削トンネルの施工技術

キーワード開削トンネル、アンダーピニング、多段配筋、過密配筋、高流動コンクリート

既設の地下構造物の下に、地下鉄や道路など新しい地下構造物をつくる場合、既設構造物に影響を与えないよう直接的または間接的に受け替えて施工する工法をアンダーピニング工法といいます。

アンダーピニング工法

神戸山手線南伸部の神戸高速鉄道交差部では、神戸高速鉄道の地下鉄道函体直下に阪神高速道路の開削トンネルを新たに構築する工事を行いました。本工事では、アンカーで補強した土留めで掘削を行い、営業中の鉄道函体20万kNを96本の鋼管杭で6年間仮受けするという国内最大の仮受け工により、鉄道函体の下で新設道路トンネル函体を開削トンネル工法で構築しました。
地表面の幹線道路は覆工板で復旧し供用させ、その下の限られた空間で営業中の鉄道函体の厳しい変位管理のもと、鉄道函体直下での仮受け杭の施工を行うとともに、道路函体の高密度配筋への対応など、制約の多い都市部での複雑な施工となりました。

技術的特徴

  1. 国内最大の仮受け工
    新設道路トンネルは、約30度で鉄道函体と交差するため、仮受け工の延長は約120mと長く、また、仮受けする構造物の重量は20万kNと非常に重く、仮受け期間6年間と過去に例がない国内最大の仮受け工事となりました。
     
  2. 鉄道函体の厳しい変位管理値
    仮受け対象である鉄道函体の変位管理値は。10m間の相対変位で1~2mmと非常に小さな値に制限され、また、鉄道函体は阪神淡路大震災の影響も加味し、慎重な施工が要求されました。そこで、自動で函体変位をコントロールできる『仮受け工自動制御システム』を開発・運用することで、6年間にわたる仮受け期間において、管理値をオーバーすることなく函体変位を制御しました。
     
  3. 鉄道函体直下での仮受け杭の施工
    函体を受ける仮受け杭は、1本あたりの軸力に換算すると約2,000kNと重く、しかも施工期間中の地震時水平力を仮受け工で負担する必要があったことから、φ900の鋼管杭が採用されました。また、仮受け杭の施工は、函体直下の狭隘な導坑(空頭3m)より施工する必要があったため、施工機械を改造するとともに、鋼管杭の接合に溶接継手と機械式継手を併用し工期を短縮しました。その結果、φ900mmの鋼管杭96本を施工し、全本数で設計値以上の支持力を確保し、無事に仮受け工の施工が完了しました。
     
  4. 斜めに交差する仮受け工事と高密度配筋への対応
    新設道路函体の主筋が仮受け杭と干渉し、連続して配筋できない状況でした。そこで、主筋とは別に仮受け杭と平行な方向に補強鉄筋を配置することとしましたが、新設道路函体は主筋と仮設の補強鉄筋が重なる最大8段の過密配筋となり、本体構造物の鉄筋組立てとコンクリート充填性という施工性が課題となりました。そこで、プレートフック型せん断補強筋と高流動コンクリートを採用することとし、事前に実物大規模の実験を行い、充填性に問題ないことを確認したうえで施工しました。

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