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維持管理
橋梁|鋼橋

道路交通や騒音等の問題がある大型クレーンを使用しない
新たな装置『橋桁部材の運搬装置』 (エム・エムブリッジ(株)との共同研究)

キーワード
リニューアル、鋼桁、運搬装置

橋梁を架設するには、その前作業として橋桁の「地組(組み立て作業)」が必要となります。一般的には、橋桁の地組には大型クレーンを用いますが、以下の課題を有する工事現場で課題解決に有効となる地組のための運搬装置を開発しました。

  • ① クレーンの配置により一般道路の交通規制を伴う場合、交通渋滞が懸念される。
  • ② 一般道路の交通規制が夜間の場合、騒音等の影響が懸念される。
  • ③ クレーン作業が一般道路直近となる場合、一般車両との接触事故等第三者災害が懸念される。
  • ④ 既設橋梁や標識等の上空占有物によってクレーンの使用が困難

クレーンを用いた桁の組み立て(その1)

クレーンを用いた桁の組み立て(その2)

運搬装置を用いた桁の組み立て

駆動式エンドレス滑り装置(橋梁の送り出し架設装置)
を上下逆さに配置した自走可能な運搬装置

  • 駆動式エンドレス滑り装置、フレーム、動力となる電動ポンプユニット、発電機から構成(重量約23t)。
  • 運搬装置は油圧ジャッキにて地組のための鉛直・水平方向への位置微調整、搭載する油圧モータによる自走が可能。

運搬装置全景

駆動式エンドレス滑り装置

運搬装置の仕様

運搬能力
20t(実証試験は10tで実施)
最大速度
1.6m/min(速度可変)
荷取位置調整機能
水平方向±100mm、鉛直方向±350mm
仕口位置調整機能
水平方向±100mm、鉛直4.0%(仕口調整角)
操舵性能
13°(X方向5m移動時、Y方向1.15m移動)
走行可能な勾配
縦断勾配8.0%、横断勾配 2.0%
昇段能力
22mm(3mm以上の段差はスロープを設置)
制動力
8%の縦断勾配で停止可能

① トレーラからの荷取り

② 地組場所まで移動

③ 地組のための位置微調整

試験状況
(操舵確認(左)、登坂能力確認(中)、昇段能力確認(右))