阪神高速 神戸線 湾岸(垂水)線
第二神明道路 リニューアル工事

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工事内容 ABOUT

工事を実施する理由

3号神戸線(月見山~湊川)は、1969年の供用から50年以上が経過し、交通量の大幅な増加や車両の大型化などにより、損傷が徐々に拡大・悪化しています。
湾岸(垂水)線は、1998年の供用から25年以上が経過しましたが、供用開始から大規模な補修工事を実施していないため、経年劣化などによる舗装の損傷が顕在化しています。
損傷がさらに進展すると、路面陥没などの致命的な損傷につながる恐れがあるため、お客さまの安全・安心をお守りし、サステナブルな高速道路を目指した抜本的な対策が必要となっています。

3号神戸線および
湾岸(垂水)線の状況

舗装損傷状況(3号神戸線)

舗装損傷状況(湾岸(垂水)線)

鋼床版き裂損傷

継手の損傷状況

第二神明道路の状況

第二神明道路は、大阪万博が開催された1970年3月に、月見山~明石西間が全線供用開始(一部2車線)し、その後、1972年8月に、全線4車線で供用開始しました。それ以降、50年以上経過した現在、老朽化による損傷が顕著に見られるようになりました。
工事では、経年劣化などによる舗装や伸縮継手の損傷を補修し、安全性・走行性の向上、沿道環境の改善を図ります。

舗装損傷状況(第二神明道路)

継手の損傷状況

リニューアル工事の
内容

構造物の長寿命化

コンクリート床版への高性能床版防水の実施

橋梁のコンクリート床版では、車両の大型化や大型車の走行によって繰り返し受ける負荷の影響が蓄積し、ひび割れが発生している場合があります。その部分に雨水などが浸透することにより、ひび割れの進行が加速し、コンクリート床版自体の強度を低下させるとともに、路面の陥没などの損傷につながる恐れがあります。
そこで、今回のリニューアル工事では、床版のひび割れへの浸透性の高い1次防水層(高浸透型防水材)と2次防水層(アスファルト加熱型塗膜系防水材)を組み合わせた高性能床版防水を実施します。これにより、ひび割れを1次防水層で閉塞し、万が一、その上の2次防水層が損傷した場合も、床版への雨水の浸入を抑制するため、コンクリート床版の長寿命化を図ることが期待できます。

コンクリート床版の損傷概念図

高性能床版防水の概念図
(コンクリート床版の上面)

コンクリート床版の部分打ち替えの実施

著しく損傷したコンクリート床版では、砂利化による断面減少及びコンクリート強度の低下が確認されており、表面から補修しても損傷が繰り返し発生する状況にあります。また、損傷がさらに進展すると、路面陥没などの致命的な損傷につながる恐れがあります。そこで、お客さまに安全・安心にご利用いただくために、損傷個所の床版部分打ち替えを実施します。

損傷状況

床版の部分打替状況写真(阪神高速道路14号松原線)

鋼床版へのSFRC舗装の実施

橋梁の鋼床版では、コンクリート床版と同様、大型車の走行によって長期に繰り返し受ける負荷の影響が蓄積し、溶接部にき裂が発生しています。このままき裂が進展すると、鋼床版自体の強度を低下させるとともに、路面の陥没などの損傷につながる恐れがあります。そこで、今回のリニューアル工事では、鋼床版の耐久性を向上させるべく、通常のアスファルト舗装に比べ、強度の高い鋼繊維補強コンクリート(SFRC:Steel Fiber Reinforced Concrete)舗装を実施します。これにより、鋼床版の受ける負荷が小さくなり、鋼床版のき裂抑制の効果が期待できます。

鋼床版き裂状況

通常のアスファルト舗装と
SFRC舗装の比較

安全性・走行性の向上、周辺環境の改善

広範囲・大規模な新しい舗装への打ち替え

第二神明道路(須磨)~3号神戸線(湊川)の舗装は、前回のリニューアル工事から10年以上が経過し、ポットホール(舗装の穴やくぼみ)などの損傷が多発しています。また、湾岸(垂水)線の舗装は供用開始から大規模な舗装補修を行っていないため、同様に損傷が多発しています。これらの損傷に対し、これまでは損傷箇所への応急的・局所的な補修を繰り返し行ってきましたが、今回のリニューアル工事では、通行止め区間内における舗装を全面的に打ち替えます。
この結果、新しい舗装によって路面の平坦性を回復させ、安全性・走行性を向上させます。

工事前

工事後

伸縮継手の取り替え

橋梁のつなぎ目である伸縮継手(ジョイント)に損傷が生じると、走行の快適性を低下させているだけでなく、車両走行時の振動により、沿道環境を悪化させる原因にもなります。損傷した古い伸縮継手を耐久性が高い新しい伸縮継手に取り替えることで、走行性の向上と沿道環境の改善を図ります。

伸縮継手の損傷事例(ゴムのはがれ)

耐久性が高い新しい伸縮継手

快適な走行性を実現する施工の取り組み

伸縮継手の取替えと舗装の打替えを一体的に行うことで、伸縮継手部の平坦性を確保し、快適な走行性を実現する施工に取り組んでいます。
従来、アスファルト舗装を敷き均す機械(フィニッシャー)は伸縮継手部を越える際に一時停止が必要であったため、伸縮継手の前後で舗装の連続性が失われ、伸縮継手部の平坦性を十分に確保できないという課題がありました。
そこで伸縮継手の施工工程を「既設撤去」と「新設設置」に分割し、その間にアスファルトによる仮埋め工程を挟むことで、伸縮継手部でも舗装の施工機械を停止させずに連続施工を行えるようにしました。

①施工前

②既設伸縮継手を撤去して当該箇所を仮埋め

③仮埋め完了後既設舗装を全面撤去

④伸縮継手部もフィニッシャーを停止させず連続施工

⑤新設舗装高さに合わせて新設伸縮継手を設置

この工法により、伸縮継手部を含む路面全体の平坦性が向上し、快適な走行性を実現できます。走行性の改善は振動・騒音・排出ガスの低減にもつながり、カーボンニュートラルの推進にも寄与します。

ノージョイント化(伸縮継手の無い構造の適用)

今回のリニューアル工事では、安全性・走行性の向上及び車両走行時の騒音、振動を大幅に低減すべく、伸縮継手の無い構造の適用(ノージョイント化)を行います。その結果、伸縮継手から下部への雨水などの漏水が抑えられ、橋梁端部の鋼材の腐食環境も改善されます。

施工前

施工後

ノージョイント化(イメージ)

サービスの向上

より見やすい案内標識への取り替え

超高輝度反射材料を用いた標識(例)

既存の案内標識を、ヘッドライトでも明るく反射する超高輝度反射材料(広角プリズム)を用いた標識に取り替えます。この取り替えにより、夜間の視認性向上を図ります。

交通安全対策

事故多発区間における注意喚起

事故多発区間では、通常の標識に加えて、注意喚起のための視線誘導標を設置します。また、路面標示を追加することで、さらなる注意喚起を図ります。

視線誘導標(設置イメージ)

工事によるご迷惑を最小限に留める取組み

施工時間の短縮と工事騒音の抑制のための取組み

お客さまや沿道にお住まいの皆さまへのご迷惑などが極力小さくなるように、以下の工法を採用して工事を行います。

SJS工法(サイレンス・ジョイント・スライス工法)

SJS工法は、特殊なワイヤーソーによって、乾式水平切断を可能とした橋梁伸縮装置の撤去工法です。コンクリートブレーカーを使用せずに、低振動・低騒音で伸縮継手が撤去できます。

IHヒーターを使用した舗装撤去工法

鋼床版上の舗装の撤去では、IHヒーターを使用した舗装撤去工法を積極的に採用します。この技術は、撤去前の舗装の下にある鋼床版を特殊なヒーターで加熱することで、鋼床版とアスファルトを剥離させ、撤去を容易にするものです。これにより、工事騒音を抑制することができます。

橋梁用伸縮継手撤去装置を備えた伸縮継手の採用

伸縮継手の撤去は、労力と時間を要するとともに、工法によっては騒音を伴います。このため、低騒音かつ短時間で撤去できる装置を備えた伸縮継手をあらかじめ設置することで、将来の工事騒音を抑制し交通影響を低減します。今回一部箇所において、撤去装置を備えた伸縮継手を設置します。なお、橋梁用伸縮継手撤去装置を備えた伸縮継手を撤去する際は、あらかじめ埋設したパイプジャッキに水圧を加えることで、コンクリート部を面破断させ、ブロック状に一括で吊り上げます。

橋梁用伸縮継手撤去装置を備えた
伸縮継手

コンクリート部の面破断の原理

ブロック状の一括吊り上げ