どんな工事をするの?
コンクリート床版(しょうばん)の取替を実施
高度経済成長期に建設され老朽化が進行しているコンクリート床版の長期耐久性を確保する工事を予定しています。
著しく損傷したコンクリート床版(2箇所)において、砂利化による断面減少及びコンクリート強度の低下が確認されており、抜本的な対策として、コンクリート床版の取替により長期の耐久性を確保します。
通行止め期間の短縮のための取り組み
お客さま影響を最小限に留める取り組みとして、今回の床版取替工事では、事前にできる工事は通行止め前に行うことにより、通行止め期間の短縮を図っています。
今回、取り替えを行うコンクリート床版と鋼桁は、鋼桁に設置したスタッドジベルという部材により一体化しています(参考)。この部分のコンクリートを事前にウォータージェットで除去し、スタッドジベルをあらかじめ露出させることで、通行止め期間中では、スタッドジベルを切断するだけでコンクリート床版を撤去することが可能となり、通行止め期間を短縮します。
事前作業については、下記の施工の流れでも動画にてご紹介しておりますので、是非ご覧ください。
スタッドジベルの露出作業のイメージ
(事前作業)
スタッドジベルの切断作業のイメージ
(通行止め期間中)
(参考)構造物の各部の名称
鋼床版へのSFRC舗装
鋼床版を採用している区間では、繰り返しの交通振動によりき裂が発生している箇所があります。このような箇所において、既設のアスファルト舗装を剛性の高い鋼繊維補強コンクリート(SFRC Steel Fiber Reinforced Concrete)に置き換えることで長期の耐久性を確保します。
SFRC舗装の施工状況
コンクリート床版への高性能床版防水
コンクリート床版は、ひび割れ部分から雨水が浸入することでコンクリートの劣化の原因となります。ひび割れへの浸透性の高い1次防水層(高浸透型防水材)と2次防水層(アスファルト加熱型塗膜系防水材)を組み合わせた高性能床版防水を設置することで雨水の浸入を防ぎ、コンクリート床版の長寿命化を図ります。
高性能床版防水の概念図
(コンクリート床版の上面)
高性能床版防水の施工状況
京橋(西行)出口・PAへの案内改善
京橋(西行)出口と京橋PA入口が近接していることから、案内強化のために本線手前からカラー舗装(青色)を追加します。また案内標識もカラー舗装と連動した標識板に取り替えます。
事故多発区間における注意喚起
事故多発区間では、通常の標識とは別に注意喚起のための視線誘導標を設置します。併せて路面標示を追加することで、さらなる注意喚起を図ります。
視線誘導標(追突注意)
路面標示(追突注意)
ジョイントレス化(伸縮継手(ジョイント)の削減)
伸縮継手(ジョイント)は、安全性・走行性の向上、車両走行時の騒音・振動の低減 、ジョイント部から浸入する雨水による橋梁端部の鋼材の腐食の予防を目的として、可能な限り削減します 。
ジョイントレス前
ジョイントレス後
3号神戸線(京橋~摩耶)は、1968年(昭和43年)の供用から50年以上が経過し、コンクリート床版、舗装、伸縮継手などの損傷が進展しています。その損傷は広範囲・多種にわたり、対症的な対応で全てを補修することは極めて困難です。特に、舗装・伸縮継手などの補修を休日に車線規制で行った場合は、長期間の規制日数を要することになり、通行止め工事に比べ、より大きな交通影響が生じることとなります。このため、阪神高速道路をご利用いただくお客様や沿線の皆さまへの影響を最小化するため、通行止め工事によって短期間で集中的な補修を実施します。
また、今回のリニューアル工事は、コンクリート床版の取替を伴うため、通行止めとならざるを得ません。