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阪神高速 ショートストーリー

第22話 巨大地震に備えた防災、減災対策を

 阪神・淡路大震災の被害を教訓として、阪神高速では、道路橋の耐震補強を進めている。
 今後、警戒が必要な南海トラフ地震のようなプレート境界型の大規模地震と、阪神・淡路大震災のような内陸直下型地震の2種類の地震動を想定して、落橋や橋脚の倒壊に対する安全性を確保するほか、地震後も応急復旧により橋や道路の機能を速やかに回復できるよう努めている。

世界初の技術力で長大橋に耐震対策

港大橋

 着実に実施してきた阪神高速の地震対策を象徴するのが、港大橋(4号湾岸線・16号大阪港線)など長大橋の耐震対策である。
 長大橋は一般の道路橋と違い、それぞれに構造が異なっているため、各橋ごとに適切な手法で対策を講じてきた。
 港大橋では、床組(車両が走行するデッキ部分)を支えていた金属製の支承を、樹脂製のすべり材を使った「すべり免震支承」や「積層ゴム支承」に取替え、あるいは橋の骨組みを構成するブレースを一部、地震エネルギーを吸収する制震ブレースに替えている。そのほか、天保山大橋では「せん断パネルダンパー」、東神戸大橋では「縦置きサンドイッチ型積層ゴムダンパー」など、いずれも免震・制震効果の高い装置を開発し、採用。長大橋の地震対策としては、日本初、世界初のアイデアを駆使して耐震性能を向上させている。

積層ゴム支承        すべり免震支承

一般道路橋の補強、被害軽減への対策

落橋防止ケーブル      ゴム被覆チェーン式

 一般道路橋の耐震補強では、橋脚の補強、橋桁の落下防止対策などを実施している。コンクリート橋脚には、鋼板などを周囲に巻きつけて太くしている。これにより、橋脚の変形性能が高まる(ねばりを持たせて折れにくくする)ことで、倒壊などの被害を少なく、あるいは全面的な倒壊に至る時間を長くすることで避難をしやすくする、早期復旧にも役立つなどの効果が期待される。
 橋桁は、地震時に落下しないよう、橋桁を支えている橋脚の梁部分を拡幅。また、橋桁と橋桁をケーブルやゴムチェーンで連結している。そのほかにも、橋桁同士を接合する、桁を支える支承を免震機能のあるものに取り替える、等の対策が施されている。

ドライバーへの情報提供、避難をサポート

非常電話

 阪神高速の交通管制センターでは、24時間体制で災害時の被害状況や気象状況を把握し、ドライバーへの情報提供や支援活動を行う。また、震度5以上の地震が発生した場合にはただちに入口を閉鎖して通行止めの措置をとり、緊急点検を実施することとしている。緊急時の事業継続計画では、人命救助等の安全確保、緊急交通路の確保による災害復旧への貢献等のために必要な災害対応業務を定めている。
 また、道路上では、側壁の非常口誘導標、非常駐車帯、非常電話などドライバーの円滑な避難行動を支援する設備・装置を整備。非常電話は、会話ができない状態でもボタン操作だけで通報が行えるようになっている。

(2014.8.22掲載)

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