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阪神高速 ショートストーリー

第17話 民営化で時代の要請に即応へ

阪神高速道路公団民営化までの動き

阪神高速道路株式会社の
コーポレートマークとロゴタイプ


 平成12(2000)年12月1日、行政改革大綱が閣議決定された。
 その中で、特殊法人の改革については、すべての特殊法人等の事業及び組織の全般について「抜本的見直し」を行うこと、13年度中に各特殊法人等の事業及び組織形態について、講ずべき措置を定める「特殊法人等整理合理化計画」を策定すること、また、「その計画実施のための法制上の措置、その他必要な措置を講ずる」こととされ、以後、この方向性の下に、着々と民営化に向けての環境整備がなされていった。
 平成13(2001)年6月21日、特殊法人等改革基本法が公布され、これに基づいて、阪神高速道路公団においても、行革推進本部事務局、特殊法人等改革推進本部事務局のヒアリングが行われた。また、同年11月27日には、政府の行政改革推進本部においても、「先行7法人の改革の方向性について」が決定され、阪神高速道路公団については、日本道路公団と同時に民営化を行うことと決まった。
 平成15(2003)年3月25日には、「道路関係四公団民営化に関し、直ちに取り組む事項」として、道路関係四公団に対して、①コスト削減計画の策定、②関連法人の抜本的見直し、③公団における民間経営ノウハウの導入、などの具体的な要望が出された。
 平成16(2004)年3月9日、「道路関係四公団民営化関係4法案」が閣議決定、6月可決成立。同年6月9日、道路関係四公団民営化関係法の公布により、道路関係四公団民営化に関する関係法案が可決成立して、公団民営化のための法的整備が整う。これにより、翌17(2005)年10月1日、阪神高速道路株式会社が発足した。

阪神高速道路公団の取り組み

 民営化に先立って要求された、コスト削減の努力、民間経営ノウハウの導入などについて、阪神高速道路公団では、平成15(2003)年に、コスト削減計画の公表(3月)、民間企業経営者への顧問委嘱(4月)、民営化総合企画室の設置(5月)などの対応を行い、6月には公団理事長が本部長を務める「民営化推進本部」を設置するなど、民営化にむけて動いていた。
 同推進本部は、平成15(2003)年度において、①経営理念、②民営化スキーム、③事業戦略、④グループ経営戦略、⑤企業統治、⑥広告戦略、⑦会社制度等学習、の7つの分野について、同本部の下にワーキンググループを設けて検討を進めた。さらに、平成16(2004)年度からは、より実際的な段階として、副理事長、担当理事をトップとする5つの部会を設置し、意思決定の迅速化を図った。ワーキンググループを改組して編成した5つの部会は次のとおりである。①新会社の経営理念等検討部会、②新会社の経営体制検討部会、③承継移行事務連絡部会、④事業計画検討部会、⑤関連事業検討部会、の5つであった。

新会社の企業理念は、「先進の道路サービスへ」

阪神高速道路株式会社の企業理念

 阪神高速道路株式会社は、民営化の本格始動にあたり、新たに「先進の道路サービスへ」を企業理念と定め、安全・安心・快適なネットワークを通じてお客様の満足を実現し、関西の暮らしや経済の発展に貢献していくことを明確にした。
 民営化後、最初の中期的な経営計画(平成18~22年度中期経営計画)の策定にあたっては、民営化の3つの目的である、(1)債務の確実な返済、(2)必要な道路を少ない国民負担で建設、(3)弾力的な料金設定や多様なサービスの提供、を実現することに留意し、この経営計画の取り組みを確実に実行していくことで、企業理念を実践することとしている。

(2014.7.18掲載)

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