重要テーマ3 世界水準の卓越した都市高速道路技術で発展する阪神高速を目指してメンテナンス時代の到来に先駆けた技術開発

維持管理のさらなる高度化、効率化を目指し、技術開発を進めています。

補修材の開発

高速道路の維持管理におけるさまざまな課題を解決し、維持管理のさらなる高度化・効率化を図るため、新しい補修材を開発しています。

大きくのびる止水材開発

コンクリートの隙間(構造目地)からの漏水は、構造物の老朽化を促進するだけでなく、走行するお客さまの安全性にも影響を及ぼします。そのため、漏水対策としてその隙間を閉塞する必要があります。また、地震などにより生じる大きな地盤変動にも構造物が追従できることが求められます。これらの課題に対応すべく、接着性や柔軟性に優れ、施工が比較的容易な止水材(アクアセプター)を開発しました。
現在、トンネル目地部での漏水対策で使用していますが、今後は伸縮装置の止水など、材料の特徴を活かしたさらなる活用を進めることで、構造物の長寿命化を目指します。

引張試験
施工状況

点検・検査技術の高度化と効率化

道路構造物の損傷への対策を講じるうえで必要な基礎情報を得るには、点検・検査が必要です。さまざまな新技術により、点検・検査の高度化・効率化に取り組んでいます。

すべり抵抗調査車両の導入

すべり抵抗調査車両(RT3®Curve)

急カーブ区間は、舗装の劣化に伴い雨天時にスリップ事故が発生しやすい傾向にあります。
従来、路面のすべり抵抗を把握するための調査では、車線規制を行う必要がありました。
そこで、車線規制を伴わず、車両を走行させながら連続的にすべり抵抗を把握できる、米国で開発された車両「RT3ⓇCurve」をベースに、車両構造改造、位置情報を把握するソフトウェアの開発、動画撮影機能の付加など、阪神高速道路に合わせた改良を独自に行い、すべり抵抗調査車両を導入しました。
今後、本格的なデータ取得を開始することとしており、カーブ区間のすべり抵抗を継続的に調査し得られたデータの分析
を行い、対策に向けた判断基準を構築したうえで実用化を目指していきます。

ドクターパト®による路面点検

ドクターパト®

「ドクターパト®」は、搭載したラインスキャンカメラやレーザー変位計などで、路面の性状調査(ひび割れ、平坦性、わだち掘れ)を、規制速度で走行しながら調査できる舗装点検専用車両です。走行しながら調査することで、お客さまにご迷惑をおかけする交通規制を回避することができます。現在、撮影した路面の画像からAIを用いて、自動的に舗装のひび割れを検出する技術の開発に取り組んでいます。また、ひび割れ率を自動的に算出できるようにすることで効率化・コスト削減を図っています。

工事騒音を軽減する技術の開発

低騒音工法の採用

SJS工法によるジョイントの撤去

都市部に位置し、交通量の膨大な阪神高速道路では、交通への影響が大きい日中ではなく、夜間に工事を実施する場合が多くあります。しかし、夜間の工事では沿道地域への工事騒音が問題となります。このため、工事騒音を大幅に低減でき、かつ工事時間も短縮できる技術の開発に取り組んでおり、ジョイント低騒音撤去工法(SJS工法※1)やIH式鋼床版舗装撤去工法※2といった新たな技術を採用しています。

  • 1:ジョイントを特殊なワイヤーにより一括で切断し、撤去する工法
  • 2:電磁誘導加熱技術(IH)により、鋼床版を発熱させ、舗装下面の接着層を軟化させることで舗装を剥ぎ取りやすくする工法