特集特集3 Zen Traffic Data プロジェクト

道路交通サービスの未来を切り拓く!
「交通世界の全てをデジタル化」し、自動運転などの研究開発を支援
Zen Traffic Dataプロジェクト

交通世界の全てをデジタル化する

最適な交通サービスの創出や交通課題の解決にあたっては、まず、複雑な現実の交通現象を詳細に把握することが求められますが、それには周辺車両との相互作用などを分析可能にする全車両の挙動データが必要です。
そこで、阪神高速では、懸案の渋滞ボトルネックを対象に、画像センシングを活用して、対象区間を走行する全車両の挙動を、車両軌跡データとしてデジタル化する取り組みを始めました。さらに、車間距離の算出に活用するための車長情報や、0.1秒間隔の走行位置での路面線形情報など、走行の安全性や円滑性に影響を与える外的要因を、車両軌跡データと関係化させています。
これにより、ドライバーの運転傾向やその相互作用など、これまで誰も知り得なかった複雑な現実の交通現象が、詳細に分析可能になります。

車両軌跡データ生成の流れ

(特許第6419260号)

日本初! 現実の交通現象や運転傾向が解明できるデータで、自動運転などのさまざまな研究開発を支援

合流やカーブを含む広範囲・長時間の全車両を対象に、車両の動きに影響を及ぼすさまざまな要因が、車両軌跡と関係付いているため、車両の動きと各要因間の因果関係を把握することができます(特徴①、特徴②)。
また、バーチャル・リアリティ環境にデータを出力することで、車両の動きや運転席からの視野、渋滞や事故の発生状況等を現実さながらに再現できることから、これまで十分把握できていなかった交通事象の発生メカニズムやドライバーの運転傾向の解明などへの寄与が期待されています。これにより、実走行テストの代替を行うシミュレーション検証時に現実の交通世界を再現できることから自動運転における軌道計画やその安全性評価、バーチャル空間での各種センサ機能の検証などにも役立つものと期待しています(特徴③)。

車両軌跡データを研究機関に開放し、自動運転などの研究開発を支援

データ利用の流れ

自動運転などの道路交通サービスの発展に寄与する研究開発の支援を目的に、阪神高速が保有する車両軌跡データの利活用プロジェクト"Zen Traffic Data"(https://zen-traffic-data.net/)をスタート。
現在、国内外の大学・研究機関などに活用いただいています(同データには個別車両及び個人が識別・特定できる情報は含みません)。

VOICE 学識経験者の声

阪神高速道路株式会社
交通技術委員会委員長
東京工業大学
環境・社会理工学院 教授
朝倉 康夫

交通データサイエンスの最先端

全ての車両を複数の路側カメラで観測し、画像解析により走行軌跡を高い精度でデータ化する。世界のどこを見渡してもZen Traffic Dataのような交通ビッグデータは存在しません。ZTDは最新の交通流理論を検証するうえで有用であるだけではなく、インシデントの検出や波及メカニズムを解析し、安全で円滑な交通流の確保方策を検討するうえでも、極めて価値が高い最先端のデータです。