阪神高速の取り組み港大橋橋梁点検台車 ~愛称:「Dr.RING」~

背景

 1974年に供用した港大橋は、ユニバーサルスタジオジャパンのほど近くに架かる全長980mの3径間連続ゲルバートラス橋です。上路(16号大阪港線)と下路(5号湾岸線)の道路を備え、大型コンテナ船が頻繁に行き交い国際航路に架かる港大橋は真っ赤な姿で大阪港の玄関口のシンボルとして浪速の名橋50選にも選定されています。

 港大橋は構造的に美しい外観を持つ一方で、トラス橋の特性上、複雑多岐な構造各部に接近して作業を行う必要があります。また、上路と下路を合わせ一日平均10万台の重交通路線であるため、維持管理や補修のための足場仮設を行うことが容易ではなく、海上から50m以上の高所であり、維持管理用の設備を設けることは非常に重要になります。

 1984年に橋の上部に電車のようにレールの上を自走する維持管理用の点検台車が供用しましたが、鋼材の腐食や電気部品の劣化等の老朽化から、2013年春より2016年春までの3か年をかけて更新工事を行ってきました。

愛称:Dr.RING

 新しい点検台車を遠目に見ると輪状になっており、南港の玄関である港大橋を全方位から維持管理や補修が出来るようにとの思いから「Dr.RING」(Repair & Inspection equipment for Nanko Gate)と名付けました。

画像:港大橋全景
上部台車
上部台車
上部台車+下面足場連結
上部台車+下面足場連結
下部台車
下部台車

接近性能の向上

 新しい点検台車は、上部フレーム、内港側と外港側の側面シャフトと側面台車からなる上部台車、築港側、中央径間側、南港側の下面足場、築港側と南港側の下部台車で構成されます。これまでは特殊車両と車線規制でしか接近できなかった箇所も、新しい点検台車は車線規制なしで接近できるようになり、今まで仮設足場がないと接近できなかったトラス内面への接近が可能になりました。新しい点検台車は既設の旧点検台車に比べ接近性能が約25%向上しました。

点検台車の構造比較
点検台車の構造比較

構成部材

 旧点検台車は鋼材で台車本体の下面などメンテナンスが困難な場所では腐食の進行が確認されました。そこで新しい点検台車は主な構造部材にアルミニウム合金を採用することで、耐食性を向上させ、台車の接近範囲拡大による構造材増加に対する軽量化対策にも寄与しています。

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