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建設技術
イメージ シールドトンネルの下部空間を上手く利用したすべり台のトンネル避難設備
シールド | トンネル

シールドトンネルの下部空間を上手く利用した
すべり台のトンネル避難設備

建設場所
大和川線
キーワード
シールドトンネル、トンネル避難設備、すべり台

現在建設中の阪神高速大和川線は、延長9.7kmのうちのほとんどがトンネル構造となっており、都市内トンネルのなかでは長大トンネルに位置づけられます。このような長大トンネル内で車両事故等により火災が発生すると、場合によっては、多くの車両を巻き込んだ大きな被害を引き起こす可能性もあることから、トンネル内の非常用施設については慎重に検討を進めています。

一般的に都市内トンネルでは、火災等の非常時におけるお客様の安全を確保するため、非常階段で地上に避難する形式が採用されます。
ところが、大和川線のシールドトンネル構造区間では、地中深くにトンネルが位置することから、通常の階段で地上に避難するような形式を採用した場合、トンネルから避難するお客様に対して大きな負担をかけてしまいます。(トンネルの深さにもよりますが、最大で10階建てくらいのビルを階段で登ることとなります)また、構造面でもトンネルが掘進完了したのちに、シールドトンネルのセグメント(トンネルを形成するパーツ)を切り開いて階段室を接続しなくてはならないため、建設コストが増加することはもとより、構造上の耐久性の面でも検討が必要となるなど、問題があります。
この問題に対処するため、使用予定の無かったシールドトンネルの道路下部空間に着目し、すべり台により道路の下部空間へ避難する形式を採用することとなりました。

この形式の採用により、万が一の場合でも安全空間へ速やかに避難することが可能となりました。

写真:すべり台による避難設備(実物大模型)

写真:すべり台による避難設備(実物大模型)

図:すべり台による避難設備

図:すべり台による避難設備

写真:すべり台進入口イメージ(扉閉の状態)

写真:すべり台進入口イメージ(扉閉の状態)

写真:すべり台進入口イメージ(扉開の状態)

写真:すべり台進入口イメージ(扉開の状態)