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橋梁 | 鋼橋

新しい床版連結構造の開発

キーワード 床版、ノージョイント、連結化、載荷試験、通行止め工事

床版連結は隣り合う床版と床版を繋ぎ合わせることで連結化を行う、ノージョイント化工法の一つです。
阪神高速での床版連結の歴史は古く、初めての施工は昭和58年にまで遡ります。
主桁部材すべてを堅固に繋ぐ桁連結に比べ、床版連結は上フランジのみの連結1)であることから汎用性と経済性に優れ、多くの箇所で施工が期待されている工法です。

従来工法の課題

従来の工法には以下の課題があり、構造の合理化・施工性の向上が強く求められていました。

  1. 既設部材と新設部材の接合箇所が多いが、既設部材が想定の位置にあるとは限らず、現場調整が頻発
  2. 部材点数が多く、時間制約のある補修工事では難工事となる
  3. 他工種・多作業となり作業効率が非常に悪い

改良構造の開発

新しい床版連結構造では、以下に着目。施工の省力化を目的とした改良構造を開発しました。

  • これまでの床版連結において、構造上の不具合や耐力不足による損傷は発生していない
  • 実橋における応力計測の実績から、鉄筋や連結板が十分な余力を有していることを確認している点
施工の省力化を目的とした改良構造を開発

大型実験により改良構造の耐力確認実施
改良構造の設計耐力について従来構造と比較の上、採用を決定

  従来構造 改良構造
コンクリート 超早硬コンクリート 繊維補強超速硬コンクリート
橋軸方向
鉄筋接合方法
上鉄筋 既設・新設鉄筋を接合
(重ね継手を基本とする)
重ね継手
下鉄筋 鉄筋なし
橋軸直角方向
鉄筋接合方法
上鉄筋 重ね継手
下鉄筋 鉄筋なし(せん断補強筋のみ配置)
連結板 全面配置(主桁部、桁間部とも)
(SS400 12mm)
主桁部のみ
(SS400 9mm)
成型鋼板 - 全面配置(主桁部、桁間部とも)
SM400A 9mm, D13スタッドボルト

室内実験での検証

新構造の実現性を評価するためには耐荷性能と耐久性、および破壊形態の確認を行う必要があります。
そこで実橋を対象として床版連結部の供試体(実物大)を作成し実験的にそれらの確認を行いました。

静的と動的試験結果

  1. 設計回転角を与えても構造は良好に保持されていた。
  2. ひび割れ発生以降の挙動が従来構造に比べ、緩やかで安定。(SFRCの効果と考察)
  3. 従来構造に比べ変形性能が優れている。
  4. 柔構造を形成しており、良好にRC床版と合成している。
  5. たとえ終局に至っても床版が落ちることはなく貫通ひび割れが発生する程度であった。

守口線フレッシュアップ工事での試験施工

室内試験の結果をもとに、平成26年11月26日から実施された「阪神高速12号守口線フレッシュアップ工事」の本線通行止め期間を利用して試験施工を実施しました。
※ 平成27年5月 神戸線(深江~武庫川)・平成28年11月 神戸線(尼崎西~阿波座)でも、試験施工を実施

施工状況

●施工結果
  1. 現場工期の短縮効果が大きいことを確認。
  2. 試験施工実施前後で鉄筋、成型鋼板、および連結板の応力計測を行った結果、床版連結後に各部に生じている応力は許容値に対して十分に小さいことを確認。
(特許第6066981号)