トップページ > 阪神高速のこだわりの技術 > 三宝ジャンクションの景観設計(5/5)

地域の顔となれる美しいジャンクションを設計せよ(5/5)

維持管理が容易になるデザイン

景観への配慮を大テーマとしている三宝ジャンクションだが、維持管理のしやすさについても設計段階から熟慮を重ね、様々なこだわりのアイデアを取り入れている。

写真:茂呂 拓実
維持管理のための工夫について教えてください。
茂呂

鋼箱桁橋の桁内には、ダイヤフラムという補強鋼板が設置されているのですが、点検員が通行しやすいよう、その開口の形を縦長に広くしました。また、一部の桁の点検用扉に、軽量で光を通す透明のアクリル製の扉を採用。作業しやすい環境を整えています。
雨水がたまりやすい桁と桁の間は、切欠き構造(あえて隙間を設ける)にし、通気性を向上させることで腐食を防ぎ、作業スペースも確保できるようにしています。

デザイン性を優先しすぎて後々の維持管理が難しくなるのでは本末転倒。機能的でしかも美しいというのが構造物の理想の姿だと思うので、そこに近づける努力は極力行いました。
開口の形が縦長に広いダイヤフラム

開口の形が縦長に広いダイヤフラム

アクリル製の点検用扉

アクリル製の点検用扉

最後にこの業界をめざしている若い人たちにメッセージをお願いします。
茂呂

この仕事をしていると、一人では何もできないことを痛感させられます。けれど一人一人が力を合わせれば、できないことはないと思わせてくれるのもこの仕事です。頑張れば、きっとできる。そんな前向きな気持ちにさせてくれた阪神高速を、今度は自分が守って、育てていけるようになりたいと思います。生まれてきたからには何かを残したいと思っている君、私たちと一緒に頑張ってみませんか?

写真:茂呂 拓実
(2014年5月 更新)
ページトップへ
目次
Case.11 地域の顔となれる美しいジャンクションを設計せよ三宝ジャンクションの景観設計
1ページ景観に配慮した設計へのこだわり
2ページ具体的な景観方針の決定
3ページ三宝ジャンクションの意匠
4ページものづくりへの情熱
5ページ維持管理が容易になるデザイン